一日目〜二日目、一日目〜二日目

一日目(月)
雪のせいもあってしばらく走れていなかったので、夕方はしることを朝から決めていた。日中、家にいてわかるほどの強風、まだ路面の雪も溶けているかわからない。ただ、サザンの初期音源とジョンレノンの曲をipodに新たに入れたので、それを聞くためにも、走りたい気分でいた。準備して家を出る。自転車のかごに雪が深ぶか溜まっていた。外はところどころ地面が凍ったままの箇所もあり、自転車でとおるには危なかった。自転車をおき、土手へむかうが、後ろから早足で誰かが歩いてきているのがわかり、追い抜かれたくない一心でまけじと早足になる。ちょうどバス停でたくさん人がおりてきたところ、その横を通り抜ける。赤信号の前ではさすがにとまったが、後ろの早足の人はかまわず渡っていった。土手の前、歩行側の青信号を無視して通ろうとするバイク、せかされるように駆け足で渡る。イライラしていると、今度は犬を散歩しているおばさんがあたりまえのように縄をほどいている。放し飼い禁止のルールすら守れないらしい。犬が通路にじんどっていて前にすすめない。むかむかして雪をけり、さっさと走ってにげた。嫌な気分もつかのま、土手一面が雪におおわれていて綺麗で、きてよかったとおもう。雪が多く、向かい風のわりには、苦しくない。体感温度は高くかんじた。新たにいれた音楽をきくのではなく、あえてシャッフルにかけ、偶然ながれてくるのを待った。心配していた地面の雪はほとんどなく、杞憂だった。はじめのおばさんのことがあったので、犬の散歩をしている飼い主が縄につないでいるのをみただけで、なんてマナーのいい人だと感じる。2キロ、3キロとはしるがいっこうに新しく入れた曲がながれない。3キロ手前の強烈な向かい風にたえ、折り返すと今度はここちいい追い風、気合がのる。ディランのスタックインサイド〜のアウトテイクは何度聞いてもよい。堀江と最近よみおえた「銀と金」の銀を重ね合わせ、膨張についてかんがえる。走りを音楽のリズムにのせてないので、ただただ疲労がたまった。シャッフルに業を煮やし結局自分で新たに入れた曲のプレイリストを再生する。ギブカープアチャンスの歌詞がよくて、何度もリピートした。8キロ。帰り道、パチンコ屋の前、地面にはった氷をみていろいろ考えていると、突然ガシャンという音がして、パッと前を見ると自転車にのった若い女の子が思い切り転げていた。さすがに足が止まる。すぐ横を通り過ぎるのがきをひけてしばしうごけなかった。今前をとおったら手をかすみたいで恥ずかしいともおもった。女の子が照れ笑いしてるだけに、余計こっちも恥ずかしい。帰り道ジョージアを二本買う。堀江逮捕のニュース、小菅拘置所がうつる。荒川土手の前、もう少し時間がおそければ報道陣にたちあえたかもしれなかった。

二日目(火)
夕方のジョギングか、深夜のジョギングか迷ったが、シャンプーが二度手間だとおもい夕方にきめた。5時過ぎに家を出る。今日は気持ちが軽く、機嫌がよかった。土手の前の交差点、だいぶ手前で青信号だときづき、ダッシュでかけぬけようと走る。すると、検問をやっていたらしき警察官がいて、「あ」と一瞬声をかけられて気がしたが、きにせず走りぬける。信号はほとんど赤にかわっていた。靴紐を結びなおし、すそを上げ、準備をととのえた。土手へあがると、まだ陽が落ちていなかったため、地平線が虹のように7色にかがやいていて、それにビル
が映えていて、すごい綺麗だった。
ジョギングにきて正解だったなぁと思う。ジョギング開始、身体が軽く、序盤からピッチの早いジョギングだった。音楽は昨日の新しく入れたプレイリストの続き、81年のそちらツアーでのシャララなど。今日は横風がつよい、この場合顔のむきをずらせば風の影響をおさえられるので幾分楽。3キロで折り返してからは、再びシャッフル。ローリングサンダーレビューのシェルターフロムザストーム、no direction homeのビジョンオブジョアンナを、フルで聞いた。終始、ハイピッチのジョギング。8キロ。早く走り終えたが、普段以上に疲れた。帰り、ゆるい坂に雪が満面につもっている場所があり、雪がクッションになってうまく降りられるかなと横断をこころみたが、2足目ぐらいですべりおち雪まみれに。情けないのと、楽しいのとが半分半分。ipodがみごとに雪におおわれてしまい、あわてて服ではらった。

一日目(木)
父親が休みで家にいたので、ジョギングにいくのにためらいはなかった。ジョギング前にドンキホーテへいき20枚DVDと、うまい棒を買う。家にもどってからGパンなどはきかえ再度家を出る。さすがにもう雪の氷もとけている。自転車置き場、マンション住人とおもわれる人がバイクをとめているところで、多少気兼ねしたが、できるだけ見ないようにおいた。土手へつく。信号のさきで小便をして、ナイナイのANNの録音をききながらジョギング開始。岡村のヘルペスの話など。もうあたりは暗かった。ちがうイヤホンをつけてきてしまった、コードのひっかかりぐあいなど終始気になった。突然うしろからシャッシャッと威勢のよい音がきこえたので、横によけると、白ジャージをきたおじさんが走って追い越していった。音のわりには走りは遅め、がんばれば追いつけるぐらいのスピードだった。向かい風が強めにかんじたが、ラジオに集中してあまり無理せずゆるいピッチで走ったので、苦しくはならない。1キロ過ぎ、さっきの白ジャージのおじさんが歩いていた、追い越す瞬間がきもちいい。2キロ過ぎ、突然前からザッザッという音がして、驚いてのけぞる。縄をはなした大型犬が全力疾走していった。ムカムカする。3キロ折り返し、今日はいつになくジョギングをする人がおおい、だいたい自分よりスピードが速く、抜かれてしまう。4キロ以降は適当にipodをシャッフルさせ、8キロ走りきった。帰り道、喫茶店に客がはいっていなくてマスターが寂しそうだった。ペットショップが閉店前だったので7時だとわかった。

二日目(金)
夕方のジョギングをきめていたが、DVDダビングなどの関係もあり、夕飯をたべてから家を出ることにした。ご飯をたべおわって家を出ようとおもうが、弾みがつかない。パソコンのことなどでイライラがつのる。なんでもないことに気をたてた。気持ちをしずめようと、部屋を暗くして寝ながらラロのスペイン交響曲をきく。2楽章の途中ぐらいで寝そうになったので、気をあらためて出発する決意をかためる。パソコンを起動させたまま、ipod付属イヤホンをつけて、600円もって家を出た。土手についてジョギング開始。シャッフルで走った。イライラで身体がカッカしているせいか、連日のジョギングや向かい風にもかかわらず、息切れや体力の消耗をかんじることなく、淡々と走れた。3キロを折り返し、4キロをすぎたころ、二人乗りしたバイクが横の道をいったりきたりしていた。5キロ地点のところで、若者がたまっているのが確認できた。まさか手はだしてこないだろうと通り過ぎる、電気グルーヴの曲がかかっていて、現実感がわかなくて恐怖もなかった。最後まで調子をおとさず8キロ。帰るころにはイライラも発散された。帰りに100円ジョージアを三本かった。