一日目

8時からおきているため、いつもどおり2時半に家を出たのでは途中で眠くなってしまうだろうと、12時に家を出ることにした。そうすれば帰ってから雨上がり・中川家のラジオが聴けるから。三日前のジョギングで音がならなかったので、新しい別のMDプレイヤーを用意したが、家を出る前ためしに再生してみたら普通に音がなったので新しいほうは家に置いて、それをもってジョギングすることにした。手袋をして家を出る。ヤフーの予想では0度を指し、テレビでは「この冬一番」だとか「朝起きたら蛇口が凍ってるでしょう」だとかいってたので相当寒いんだろうなと思ってたら、案外いつもと同じだった。さすがに自転車で風を切ってはしると耳たぶが冷たくなる。まだ12時ということで、人とけっこうすれ違う。土手へつき、早速ジョギングの準備。するとアクシデントが。なんと音が鳴らない。鳴らないどころか、MDを認識しない。あげくのはてには電池切れ。ここまでくるとさすがに抵抗しようという気もうせて諦める。さすがに二回連続なにもきかないでジョギングするのは辛かろうと思いつつ、ジョギング開始。後ろからジョギングで追い抜いていく人がいた。はじめのうちは公務員試験のコトを考えた。あれはある程度手をつけた、あれはまだまだ勉強が足りないなど。しかし、さすがに考えることもなくなり、無心で走るようになった。頭の中が空っぽ。やっぱり寂しいとおもい、もういちどMDを再生させてみることにしたが、手袋をつけたまま扱うのでうまくできず、アスファルトの地面に落とし万事休す。仕方なく無音で走り続ける。無心のつぎは恐怖。深夜1時ごろの夜道を走っていると思うと、急に幽霊がでてきたらどうしよう、などということが頭をよぎる。いちどそんなことを考えると、いままで聞いた怖い話が走馬灯のように頭をかけまわる。こういうときは異常に頭の回転が早い。もうイヤになるが、ひきかえすにも結構な時間がかかるし、仕方ないから走り続けようと決心。でも6キロでやめようとも思った。そして無心のまま折り返し、小便もせずに走り続ける。ヤフーオークションのこと、お父さんがお母さんを怒鳴ったこと、今日やった試験勉強などいろいろ考えることもあるが、少し考えてまた頭が真っ白になる。走るペースは異様に速い。たぶん最速だと思う。2日休んでいたこともあって、体調はよく、寒さなんて一切感じないほど身体をゆらして走る。やがて、6キロ地点につくが、ここでとまったら後悔するだろうなというのと、最速ペースで走っているのでどのぐらいの時間になるかを知りたいということで、引き続き走る。7キロすぎ、さすがに疲れてきた。ふと足元を見ると、小さな足跡が続いている。はじめはおもしろがって、これをおって走ってはみたが、だんだんお化けの足跡じゃないかと怖くなる。走った後が不自然だった。8キロ完走。心地よい気分だった。家に帰り、時間をみてみるといつもより10分ほど早かった。