一日目

一日目(水曜)
陽の出ているうちに走るのが癖になり、今日も5時20分ごろ家を出た。自転車で出発してすぐ、家でみあたらなかった靴下が、トレーナーの内側にはさまっているのに気づく。引き返すのが面倒だったので、とりあえずトレーナーのポケットにいれる。自転車をおいて土手につくころ、ポケットでは走っている拍子におちそうだったので、思い切ってパンツのなかにいれてみる。多少ズボンがもっこりしたが、あまり違和感はなかった。土手にのぼると、夕陽がきれいだった。お日様はいいものだとおもい、適当に音楽をかけながら何の準備もなく走り出す。すると調子がおかしい、胸の上辺りが詰まる感じがする。500メートルも走らないところでうずくまる、胸がバクバクいっていた。1〜2分休んで、また走りだすが、ぜんぜん身体がのらない。呼吸器が異常な反応だった。情けないくらいゆっくり走っていても、どうしようもない疲労と息苦しさ。2キロ地点でまたうずくまる、座り込んだとき胸にてをあてると尋常じゃないほど激しい動悸がする。3キロ地点でも同様にうずくまるが、どういうわけか3キロから先は、息苦しさがなくなって多少楽になる。4〜5キロ過ぎたところ、月がオレンジ色に大きくかがやいていて出ていてみとれる。この時間、犬の散歩をする人がおおい、放し飼いされてるような犬は人を襲わないんだろうと警戒感なく走る。5キロ過ぎ、もう限界かなと6キロ地点での休憩でもとろうかと考えて走っていたところ、放し飼いされてた中型犬に突然吠えられた。怒号のような激しいほえ方で、完全にたちすくんでしまう。飼い主のおばちゃんが「だいじょぶだから、そのまま走っていけば大丈夫」と無責任なことをいう。あんまり驚いて体が細胞がおきだしたのか、このことがきっかけでまた走る力がわいてきた。休憩せずにそのまま走り続ける。8キロ。帰り道、ブルーハーツの残りの曲。やはり、「あの娘にタッチ」が一番好きだ。